花粉症という病名がまだ普及しておらず一般的には枯草熱(こそうねつ)と言われていた頃。私が発症したのはまさにセピア色のそんな時代である。くしゃみと鼻水が一年中止まらず微熱も出る、きっと治らない慢性の風邪を患っているのだろうと子ども心にも既に達観していた。
現在は3・4月の杉花粉の時期から5・6月の笹(筍)藪漕ぎに一つのピークがあり、稲刈り後の10月頃に二つ目のピークを迎え、降雪後の3ヶ月間のみ沈静化する。
それにしても今年のスギ花粉は凄かった。緑ではなく花をたくさん付けてオレンジ色になっている杉林を多く目にした。あれが風に煽られて埃のように押し寄せるのだから堪ったものではない。今年初めて花粉症になったという人の話を随分と耳にする。
かつて使用していたレンズの外側に革の風防が付いている花粉症用サングラス。以前、コンタクトレンズを使用している時に山歩きにと購入したのだが、眼鏡に変えてからは机の引出しの奥に仕舞い込んでいたものだ。
今シーズン、まだまだ活躍する機会はあるのだが、裸眼で0.08の視力では度が入っていないサングラスは危ないだろうか。でも、眼鏡をかけていても歩きながら景色を見てるからよくコケているんじゃないという山仲間の声も聞こえてきそうだ。