東補陀落・雨告山登拝

東補陀落 2008/10/12

阿弥陀様が住む所を極楽浄土と呼ぶのと同じく、補陀落(ふだらく)浄土とは観音様が住む場所の呼称である。真言密教の月山には東西に補陀落があり、東補陀落の方を金剛界、西補陀落の方を胎蔵界に当てているが、今回、東西の補陀落(厳密には西は雨告山)に参拝して来たので概要のみお伝えする。

東補陀落と御浜池の宗教的関係については次の文章を引用したい。 東補陀落は金剛界。知恵と男性の象徴とされ、立岩を主尊としている。岩の頭部は男根の形をしており三宝荒神と崇めている。この立岩の裾には弁財天浄土であるお浜と呼ばれるお池がある。弁財天は女性だから、東普陀落の景観は女陰に向かって男根が立ち上がっている形になる。女陰であるお浜の池から流れ出る濁った渓流の流路となる渓谷を濁沢といい、そこには不動明王が祀られている。(戸川安章「出羽修験の修行と生活」より)
今回の同行者はebiyanさんとakanezumiさん。ebiyanさんは一昨年にお声掛けした際、膝の具合が思わしくないとのことで参加できなかった経緯がある。月山でネイチャーガイドをされているakanezumiさんとは仕事でのお付き合いはあるが山は今回が初めて。いつもと違う楽しみ方ができそうだ。 今日明日と天気予報は良いのだが、前日の弱い冬型からの回復が少し遅れているようだ。風が冷たく手や耳がかじかむ。 写真click
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錦繍の藁田禿山と御浜池。 何度か尋ねているがこれほど美しい紅葉は今回が初めて。click
途中から見る東補陀落と藁田禿山。click
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大画面で御神体に合掌。click
ご神体の左から更に上にあがって胎内。伊弉諾(いざなぎ)神社。(写真提供:松田謙治氏/薬研)
胎内の中には仏像が安置されている。東補陀落の胎内は母ではなく父の胎内なのだそうだ。(写真提供:松田謙治氏/薬研)
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御浜池。時折池に日差しが射すとエメラルドグリーンに輝く。click
岩の上に蛇の香炉と蜀台が。click
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見上げる剣が峰を大画面でどうぞ。click
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鳥の囀りが聞こえると「○○だ!」と分かるakanezumiさんは凄い。私は焼き鳥の種類くらいしかわからない。色づくナナカマド。click
秘所を訪れた後は私的に気に入っている秘所地へ。チングルマがびっしりと赤く色づいている。click
この景色が素敵です。click
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今夜の宿は田麦俣の多層民家を民宿にした「かやぶき屋」。郷愁を感じます。click
民宿裏の旧遠藤家。資料館になっています。(要拝観料)click
ピンボケですが、思わず寝転がりたくなる炉端。食べきれないほどの季節の料理が並ぶ。岩魚の塩焼きが特に旨かった。明日は雨告山(西補陀落)へ・・・。

2日目へ

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  • コメント (8)
    • ebiyan
    • 2008年 10月 14日 4:02pm

    月山の新たな魅力をたっぷり堪能した二日間になりました。
    賑やかな月山は月山のほんの一部にすぎないということを
    つくづくかみしめながら歩きました。
    静かな桃源郷を独占して気のあった人たちと楽しく歩く、
    山歩きの極意でしたね。
    「かやぶき家」さん、最高に居心地よかったです。

    • みいら
    • 2008年 10月 14日 5:11pm

    ebiyanさん、お晩です。2日間お世話になりました。ありがとうございました。長年のつかえがやっと取れて、精神的に脱力してます。

    まさに桃源郷でしたね。季節・天候・メンバーが全て揃った素晴らしい風景でした。

    かやぶき屋さん、良かったですねえ。次の日が山じゃなかったら炉端でちびちびぐずぐず、ゆっくりやりたかったなぁ。

    • SONE
    • 2008年 10月 14日 10:30pm

    雨告山の長丁場、本当にお疲れ様でした。お誘いいただき感謝の極みです。
    往路3時間以上続くブナの原生林は圧巻でした。何時までも残して置きたい山形の自然遺産だと思います。
    でもここまで拘りを持って歴史や民俗を下調べをして登る、みいらさんの情熱には脱帽です。

    • みいら
    • 2008年 10月 15日 1:58pm

    SONEさん、こんにちは。雨告山では大変お世話になりました。本当に心強い援軍でした。
    ぶなも紅葉もほんと良かったですねぇ。区切りの山行はメンバーに恵まれ思い出深いものとなりました。ありがとうございました。

    何やらつまらない資料的報告になってしまいましたが、拘りの山域ははここだけです(^^;;;。あとは全然なし。
    SONEさんにはこれからいろいろ教わらなくちゃ。

    • 松田 謙治
    • 2009年 10月 24日 11:15pm

    東補陀落の胎内写真について、ピンボケは実に惜しい。ここまで充実された記録ゆえ一層惜しい。宜しければ写真を提供します。胎内めぐりを終えた頃は足ガクガクでしたが、写真はまともに撮れました。[内藤正敏師の押し掛け弟子より…]

    • みいら
    • 2009年 10月 25日 8:12am

    @松田さま。拙いサイトにお越し頂きありがとうございます。
    胎内の写真は数カット撮ったのですがいずれもピントを合わせられず、自分の下手糞加減に呆れておりました。胎内の仏像まで紹介しているホームページは殆ど見かけませんので、ピンボケにも拘らず掲載しておりました。ご好意に甘えましてご提供頂ければ幸いです。

    内藤先生というと芸工大の内藤正敏教授でしょうか。著書の『修験道の精神宇宙』の出羽三山のマンダラ思想に衝撃を覚え、以前ブログで紹介させて頂いたことがありました。http://inage.raindrop.jp/wbs/?p=252
    現在では訪ねる人もあまりないような薮山に祠や燭台等を見つけたりすると、古人はどのような気持ちでここを歩いたのだろうと興味が湧いてきます。最近の私の興味は古い修験道の方にシフトしてきました。今後ともご教授頂きたくお願いします。

  1. あれから早くも1年以上が経ってしまいましたね。
    暗くてよく見えませんでしたが、黄金のすばらしい仏像だったのですね。
    あの絶景を見に是非また出かけてみようと思います。

    • みいら
    • 2009年 10月 29日 7:57am

    ebiyanさん、おはようございます。

    今年はもう冬枯れでしょうね。来秋にまた参拝に出かけましょうか?
    今度行く時は蝋燭を持って行こうかな。