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西俣ノ峰・枯松峰を飯豊連峰に追加しました。
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カテゴリー : ノンセクション
「山の恵みの映画たち」の関連上映で「祖谷物語 おくのひと」をレイトショーで観て来ました。
徳島県の山奥の寒村 祖谷(いや)地区。そこから更に奥に入って、電気も水道もなく車さえも入れない前近代的な場所に住んでる春奈と爺ちゃんの生活を縦糸にして、自然環境というテーマを横糸にして描いた作品です。意外にもテーマからくるシリアスさはなくて、逆にファンタジーさがあったりして、3時間という長い作品でしたが最初のシーンで引きつけられて、トイレに立つこともなく、あっという間に終わりました。
お爺役の田中泯さん、ずっと登場しているんだけど、結局一言も科白がありませんでした。(爆
社会人になった春奈が地元に戻ったラストシーンはなかなか美しく素敵でした。
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大好きな矢口史靖監督の新作「WOOD JOB!」をレイトショーで見て来ました。泣いて笑って
それにしても海猿の伊藤英明が山猿というかゴリラのような役柄を熱演しておりました。Good Job!
以下ネタバレ感想。
パンフレット写真の美人に会えるだろうという不純な動機で林業体験に申し込んだ今どきのチャライ男子が、村の人々と関わりながら1年間林業に携わることでその素晴らしさに目覚めていくというお話です。
全体を通して山・森・木々に対する畏敬の念に貫かれて美しい映像となっています。高度感たっぷりのカメラワークも素晴らしい。実際に林業に携わっている方が見ても不満はあまりないのではと思いました。
日本古来の信仰と民俗はもとより聖と猥が混在していますが、クライマックスとなる大きな御神木が巨大な滑り台を女陰をかたどった的に向けて滑り落ちるシーンも夫婦和合・子孫繁栄・五穀豊穣の祈りであり、伊藤英明の妻役を演じる優香が子づくりに関する下ネタを連発していることもこの祭りの伏線だったという事が分かります。
矢口作品に共通する笑いと悪ノリも随所に見られますが、主人公が山ヒルに食いつかれるシーンは監督が撮影中に山ダニから股間に食いつかれた実体験から入れたそうです。ヒロインが教鞭をとる分校に「ヒル」という書道作品が貼られていたカットには吹き出してしまいました。お勧めの作品です!