雨告山登拝
雨告山(西補陀落) 2008/10/13
雨告山(あまもりやま)は月山火山のカルデラの中央に位置する尖った小ピークである。金剛沢が流れる南側はすっぱり切れ落ちており断崖の下にはかつて西補陀落(にしふだらく)として祀られている秘所があった。 西補陀落は胎蔵界。慈悲と女性の象徴。そこには以前湯殿山の御神体岩と似た硫黄を含んだ巨大堆積物があって、その天辺に2m程度の大きさで深さ20cm程の窪みがありお湯が溜まっていたのだそうだが、現在は完全に崩壊し秘所の面影を留める物は土砂に埋もれ何もなくなっている事。 古くは旧羽黒町の川代口から西補陀落を経て湯殿山へ通ずる登拝道があったが、四百年前、羽黒山の第50代別当天宥が秘所として常人の入山を禁じたため、熱心な行者以外は現在は足を入れなくなっている。かつての場所から金剛沢を遡ったやや東側に仮の拝所もあるが、現在は雨告山山頂に西補陀落・守山神社の碑があるということで雨告山に参拝してきた。2日目の今日はebiyanさんとakanezumiさんの昨日からのメンバーに、山のSpecialistのSONEさん・酒田のみうらさんをお迎えし総勢5名での登行である。 SONEさんに蜘蛛の巣と露払いをお願いし、往復19kmの登行開始。 | |
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ぶなの美しい参拝道だ。click 時折道にぶなの枝が落ちて歩くのに邪魔になるが、それは熊が折った枝だとakanezumiさんに教わる。良く見ると歯型がついてたりする。上には熊棚が。それにしても熊の糞が多いこと。 長い樹林帯が続いた後の「のぞき」で月山西面が眼前に飛び込んでくる。 | |
刈り払い跡が新しいが、3~4年に1度の割合でしか行われていないとの事。この長丁場を考えると、薮がかかっていたら日帰りは無理のようである。click | |
月山西面を間近に見上げる。いつもと違うスケールの大きい景色に圧倒される。click | |
窪みは爆裂火口か。拡大し良く見るとわかるが、驚くことに左上から道がついている。どうやらタケノコ道のようだ。click | |
雨告山(右)。click | |
全く突然に池塘が現れ歓声が上がる。逆光で良くない写真だがclick | |
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ルート部分だけ刈られた草紅葉。紅葉が素晴らしくのんびりしたくなる場所だが、長い長い登拝道の核心が目前に迫るため山頂に登ってからゆっくりすることにする。click | |
雨告山の最後の50mは胸を突く急登。ステップもなく木に掴まり攀じ登って山頂に立つ。歩き始めから丁度5時間を経過していた。 山頂に祀られている守山神社の守山とはモリノハヤマである。西補陀落は死者の霊が集まるとされる端山信仰の山である。 10年分の思いを込め合掌。click | |
四方が切り立った山頂は狭く、5人が座ると一杯になる。往路を戻る。 | |
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気持ちの良い草原で景色を堪能しながらゆっくり昼食を摂る。名残を惜しみ帰路に着く。click | |
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月山西面の上部は笹の植生が水平ラインを引いたようになって見事なツートンカラーとなっている。click | |
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光射すぶな林。click 途中SONEさんが見つけたナメコやカノカ、みうらさんが見つけたナラタケなどを採りながらの山行であったが、健脚なメンバーばかりで日が落ちる前に無事下山。皆さん、大変お世話になりました。 最後に今回の参拝にあたってご指導頂いたO山岳会のS様、I様に心より御礼申し上げます。 |
みいらさんが長い間温めていた東・西補陀落、ご一緒させて
いただいて月山の新たな魅力を十分堪能することができました。
刈り払いされていてスムーズに歩けたことはなにかこれからの自分の道に明るい光が射したような気もして、暗い話題の
多い昨今にあってうれしくなりました。
ちょっと神がかりも感じたほどすべてがうまくいった2日間でした。
ここをお誘いして良かったかしらんとずっと思っていましたが、そんな考えは全くの杞憂でした。実に素晴らしい山行でしたね。
>ちょっと神がかりも感じたほどすべてがうまくいった2日間でした。
参加者全員の精進が良かったから!ということにしておきましょう。(^_-)-☆
日常生活も全てが上手くいくと良いんだけど。(爆
はじめまして。こちらの記録を参考に行こうとしましたが、今季は都合がつかず来年には行こうと思います。
ところで金剛沢の御神体には踏み入れましたでしょうか。そこまで行ってみようと思ってます。
PS.今週よろしくお願いします(^^ゞ
@モンキィさん、はじめまして。
コメントいただきありがとうございます。もしかしたら土曜日にお会いするモンキィさんでしょうか?^^
途中テン泊する予定でなければ、ここは刈り払いがされている時に限りますね。本来のご神体がなくなってしまった金剛沢へは行っておりません。是非参拝されてくださいね。(^^)