ハイマツ酒
高校3年生の夏、インターハイ出場を控えて朝日連峰に強化を兼ねた夏山合宿に出掛けたときのこと。 銀玉水を少し登ったところで当時の大朝日小屋の管理人鈴木さんと出会い、いろんな高山植物を教えて頂いた。金玉水にテントを設営してから再度小屋に鈴木さんを尋ねたくさんの山の話を聞き、最後に「二十歳になったら又登ってこいな、うまいハイマツ酒を飲ませっからよ。これがまたうめぇんだ。」と言われ再会を約束したのだった。
高校卒業後私はしばらく山形を離れ、7年ぶりに朝日に登ったときには大朝日小屋の管理人は残念ながら別の方に代わってしまっていた。 幻のハイマツ酒となった訳だがどうしても一度飲んでみたい。ハイマツの実を焼酎に漬けるのではないかという話を聞き、何度か失敗しながらもようやく美味しいハイマツ酒がつくれるようになった。 高貴な香りを漂わせながら琥珀色に輝くハイマツ酒は上等のマティーニにも匹敵するほど美味しいお酒である。 そしてそのハイマツ酒を地図を広げながらちびりちびりとやっていると、雲海から浮かび上がる山々、草木の匂い、風の音、ブナの落葉を踏みしめる感触などが鮮やかに蘇ってくる。
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