月山森 湯ノ台から

月山森 湯ノ台から 2008/09/14

 鳥海山の月山森。何か謂れがありそうな山名である。  古くは鳥海山と月山・葉山の三山を出羽三山と呼んでいた事があったそうで、現在も吹浦の口之宮には月山神社も一緒に祀られ両所の宮として崇められている。内藤正敏氏は著書の『修験道の精神宇宙(出羽三山のマンダラ思想)』の中に、「月山山頂の真北に月山森がある。お盆に行われる月山神社本宮の柴燈祭は、月山森から遠く真南の方角に見えるかもしれない」というような記述があったと記憶しているが、残念ながら山名の由来までは記載がなかった。扇子森・天主森・鍋森等名前に森がつくピークが目立つ中で、果たして月山森は・・・。

登山口→0:23→沢追分→0:29→横道→0:58→西物見→0:30→八丁坂下分岐→0:43→河原宿→0:31→月山森→0:23→河原宿→1:25→横道→0:28→南高ヒュッテ→0:16→開拓 (6時間6分 休憩含まず 単独) 1/25000地形図(湯ノ台)

 

今回の登山口は湯ノ台口の沢追分コース。 写真は下山予定の開拓。路側帯に10台ほどの駐車スペースがある。 沢追分へと続く登山口は路側帯から車道を10mほど上がったところ。 写真click
登山道は綺麗に刈り払いされ、「猛禽類保護センター」の施設の裏を通り 、鳥海高原家族旅行村のコテージエリアの中を抜け、
駐車場に出る。登山道は写真右奥から。
良く踏まれた道だが、滝ノ小屋から入る人が多くなって最近はあまり歩かれていないのか、蜘蛛の巣が凄い。こんな事もあろうかと持参してきたステッキを聖歌のように前にかざして歩く。沢追分を過ぎ登り道が斜度を増した頃、突然旅行村のスピーカーからメロディーが流れびっくりする。どうやら6時の時報のようである。
鳥海高原ラインの車の音がやや静かになり右手が切り立って崖が見えてくると、横道が近い。横道の分岐部分のみ草が繁茂し、やや薮がかっている。写真click
大黒天はなだらかな登山道。苔むした敷石に静かなしっとりとしたぶな林が続く。 登山道を横切る倒木や潅木が数箇所あり、跨ぐのは良いが下を潜ると体力を使う。 相変わらず蜘蛛の巣との格闘。上下に張り巡らされており糸が顔や腕に絡まり不快極まりない。
西物見で樹林帯から出て漸く展望が開ける。朝食をとる。月山森からの尾根を左手に眺める。写真click 朝食を済ませ歩き始めると間もなく、下山してくる女性の単独行と年配のご夫妻と会う。この時間帯にここを下山することに違和感を感じ、少し話をすると滝ノ小屋から山頂に向かうのに分岐で間違って下りて来てしまったようだ。河原宿まで先導することにした。 西物見からはこれまでの人工的な敷石がなくなり、火山岩が目立ち始める。
急遽同行することになった方々と、下山時に間違わないよう2ヶ所ある滝ノ小屋との分岐を確認する。 八丁坂下分岐で和歌山からのご夫妻と一緒になる。飛行機から見た美しい鳥海山にあこがれていたとの事。前日古寺から大朝日をピストンして、夕べの内に移動してきたらしい。健脚だ。 click
河原宿から。山頂のガスが取れてきた。click 途中からの同行者と別れ月山森へ。
click
イワイチョウが黄色く色づいている。click
ボタ池脇から見上げる月山森。草紅葉が良い感じ。click
ボタ池を手前に鳥海山頂。click
月山森下分岐。奥に鍋森など。click
山頂手前はご覧のようなハイマツ薮。下は道がついているが所々枝が伸びており足が取られる。朝露でびしょびしょになる。click
山頂から西望。1576ピークが高く見える。薮がきつくここから尾根を下る夏道は使えない。click 残念ながら月山は雲の中で見えない。 
 
 月山森から笙ヶ岳・鍋森・七五三掛方面。click 千畳ヶ原を俯瞰しようと思ったが薮が煩くやめにした。
  月山森から鳥海山頂。click ビールを飲みながら展望を楽しんでいると、風で体が冷えてきた。 下り初めに、薮で足許が見えないところをしっかり確認しないで左足を着こうとしたら、この部分だけくぼんでいて、から足を踏むような感じで膝を過伸展してしまう。ズキンと痛みが走ったが幸い大したことがなさそうで、負担がかからないようだましだまし下る。
段差のあるところでは負傷した足から降りると負担が少ない。河原宿でテーピングをしようかと考えていたがさほどでもないので一気に下ってしまう。 写真は大黒天のぶな林。click
鳳来山の巻き道。ここのぶな林も素敵である。途中、ソブ谷地への分岐があるが踏み後は薄い。 落葉でふかふかの、しかし蜘蛛の巣だらけの道を下る。click
南高ヒュッテ。ここから15分ほどで開拓登山口に出る。鳥海山荘で蜘蛛の巣だらけの体を洗って帰る。※登山口と滝ノ小屋分岐間には、横道と鳳来山巻き道のソブ谷地分岐にしか標識がない。今回のように滝ノ小屋から誤って湯ノ台口方向に下ってきた場合には目印となるものは横道まで何もないので注意されたし。
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  • コメント (2)
    • SONE
    • 2008年 9月 16日 9:13pm

    鳥海山の数ある登山道の中で一番歩いてみたいコースです。何時もは滝の小屋口まで安易に車を使ってしまい、湯ノ台口の本当の良さを判らないでいました。
    来年は同じコースを歩いてみたくなりました。

    しかしながら大体トップで歩くことが多いので、この時期特有の朝露と蜘蛛の巣払いは私の役目。
    あのヌチャ~と顔に張り付く蜘蛛の巣の感触には戦意を喪失させられます。でもそんな苦労も厭わず、静寂を味わえるマイナーコースに突入してしまう私はMでしょうか?(笑)

    • みいら
    • 2008年 9月 17日 9:24am

    SONEさん、こんにちは。
    湯ノ台コースにある「八丁坂」は下から歩いて初めて名前の意味が理解できますね。今度は本来の登拝道であった蕨岡ルートを歩かねばという新たな宿題ができました。

    マイナールートの蜘蛛の巣対策は大きなテーマです。一度雪が降ればなくなるんだけど、それまでが大変です。

    >でもそんな苦労も厭わず、静寂を味わえるマイナーコースに突入してしまう私はMでしょうか?(笑)

    自虐の唄はおやぢのテーマ曲ですなぁ。私は山だけでなく家でも歌ってます。(爆