カテゴリー : 山のこと

蔵王 秋色

 この休みは月山に行く予定でしたが朝寝坊し急遽変更。蔵王の紅葉が見頃になったという報道もあったのでアプローチに時間がかからない蔵王を訪問してきました。  宮城県側は厚い雲に覆われているが稜線上はガスもなく視界良好、お釜もすっきり見える。熊野山頂には寄らずに真っ直ぐ熊野十字路へ。シラタマノキに実が鈴なりになっている。何度食べても複雑な甘いサロメチール味。すぐ噴き出す。 色づいた地蔵の山腹にはイロハ沼へと続くトラバース道が切られている。蔵王沢から中丸山を見ると良い感じで色づいている。後で回ろうか。  地蔵山頂はパスしひときわ赤く見える三宝荒神を目指す。モミジやドウタン・ナナカマドが真赤だ。山頂からは雲海に浮かんだ朝日連峰・月山・鳥海山が美しい。しばしうっとりしてから熊野まで戻ることにする。十字路からの復路はショートカットの直登コースで。山頂の茂吉の歌碑から少し下がると中丸山が良い感じだ。お、誰か1人登ってくる。聞くとライザからのピストンらしい。途中の紅葉が綺麗だとのこと。やはり何としても行って来なければ。  熊野山頂の賑やかさに反して、熊が出て来そうなくらい静かな登山道である。手を叩きながら進む。それにしても振り返る熊野の斜面が彩られて美しい。中丸山東コルまではアオモリトドマツの樹林帯で冬は樹氷原となるが、この時期は甘い香りが漂って癒される。  木道をひと登りして中丸山山頂へ。写真を撮り軽く腹ごしらえして出発の準備をしていると先ほどの単独行者とスライドする。復路は日が射して一段と明るく輝く紅葉の中を歩く。下る時には気がつかなかったが敷石の脇のザレにコマクサが1株頑張って咲いているのを見つける。熊野から刈田駐車場まではハイカーや観光客でごった返す馬の背を、場違いな長靴で控え目に歩く。  朝晩が冷えているせいか紅葉は例年より1週間は早いようだ。また、今日は山形市市民登山があり南蔵王を刈田峠から不忘を経て白石まで縦走の予定であったが、ずっと厚い雲に覆われていてもしかしたら少し残念な山行になったかもしれない。

城山へ

先日、野球のナイター練習をしてきた帰りに長谷堂でボワっと山の上が明るくなっている城山を見つけ、そう言えば天地人にあやかって長谷堂城跡をライトアップしていたことを思い出しました。仕事をお昼で終えた昨日、ちょっと廻って来ました。 1 それにしてもこの「天地人」人気というのは何なんでしょう。大して観光客はいないだろうと高をくくって来て見ると、本来の駐車場にはイベントのテントがかけてあり、周囲のあぜ道にびっしりと車が駐車されて停める場所がない。仕方なく近所の同業者の所まで戻り車を置かせて貰い城山まで歩きました。 駐車場まで来と、なんだ、お祭りだったんだ。道理でお祭り騒ぎな訳だ。結構な人出である。 お土産や屋台のテントが並んでいる。昼食がまだなので下山後に屋台の蕎麦でも食べようかと登り始める。 2 登り口の鳥居の所にストックが置いてあったが、結構急なので年配者にはありがたい。それっ婆ちゃん、ガンガレ~。 3 おお、ここから光を当てていたのか。 4 虎口近くの彼岸花。 5 城山山頂からは東と北の展望が良い。写真は中央が瀧山で右が蔵王。 6 山頂広場。北側からは重量感のある葉山と月山が少しだけ見えます。 7 往路を戻り下山すると蕎麦は売り切れとなっておりました。残念。 周囲を散策しているとどこからともなくキンモクセイの甘い香りが漂ってきました。すっかり秋ですねぇ~。

なんで、朝日に軍道?

 関東の山仲間に「何で、朝日連峰なんていう山ン中に軍道を作ったの?」と聞かれました。  丁度、(財)上山城管理公社・上山市観光協会・上山市観光課で配布している「慶長出羽合戦 兼続と義光とかみのやま」というパンフレットに、とてもわかりやすい地図があったのでご紹介します。 dewakassen マップを見ると置賜の上杉の領地から庄内の飛び地領に行くには朝日連峰を通らなければ、最上領か村上領を通るしかなかったということが一目瞭然です。現在のように道路が縦横に切られている訳ではないので、朝日の修験者が歩いていた尾根を拡幅するのが一番現実的だったのかもしれません。 その後、朝日町の大沼浮島稲荷神社別当の大行院(朝日修験の総元締め)より「上杉軍が朝日連峰の稜線を通り庄内に通じて最上藩を挟撃しようとしている」と最上義光に訴えられ、また関ヶ原の敗戦の仕置きで庄内領を没収されたことから廃れてしまったという事のようです。

痛ましい・・・

話題の映画「剣岳 点の記」。やはり大きなスクリーンで見なければ面白さも半減だろうと土曜日に映画館に行って見てきました。 死の山をイメージしてか美しいお花畑の映像は敢えて映していなかったようですが、大迫力の映像はやはり自宅でDVD鑑賞するものではありませんでした。行って良かった。 ムービーオンには八文字屋が併設されていますので、上映までの時間調整に本を調達。翌日曜日は家庭サービスと読書の日となったのでありました。 昨年暮れは世相を反映して蟹工船が流行ったようですが、今は太宰が人気のようで書店にはコーナーが作られてありました。かつて読んだ膨大な文庫の山は、自宅の建て替えの時に泣く泣くブックオフに出してしまったので、「人間失格」を再度読もうと思っても新たに求めなければならない。無駄遣いだなあと思いながらも仕方なく購入しました。 日曜日、湯殿山の予定を順延し朝のニュースを見ていると「蔵王・仙人沢で滑落、2人死亡 ハイキング中の園児と引率男性」のテロップが流れて来ました。もしや仙人沢の右岸、中丸山に続く谷側に傾斜した細くて滑りやすいあの悪路の急斜面を下ったのではと思ったら案の定そのようでありました。左岸を下る観音滝のコースが崩れて通行止めになっていたのでこちら方面に進んでしまったのか、それにしても楽しい子供会イベントでの何とも痛ましい事故でありました。合掌

ウスユキソウを訪ねて

lisonさんと庄内修験道の情報交換をしていたら「朝日に行きたい。ウスユキソウが恋しい・・・」というコメントを頂きました。 触発された私は居ても立ってもいられなくなり、草刈奉仕作業で今週は行けないというlisonさんにはとても申し訳ないのだが、単独で日暮沢から竜門まで日帰りピストンで行って参りました。 寒気が抜けないという厭らしい天気の為、早出早着で極力雷雨は避けようと日の出前の3:45出発。 県境稜線は残念ながらガスで展望は利かないが、目的のウスユキソウは見事な群落を作っておりました。 竜門小屋には7時頃到着したのですが、すでに小屋番さんを含め5名は7泊8日で三面コースの草刈に出かけた後。 よしっ!今年の秋は三面から登ろうか。 日暮沢到着が12:05。前日が雨だったこともあり、静かな静かな花の山旅でありました。