「昔は良かったなあ」史観・・・

日曜日の昨日は当初タケノコ採りを予定していましたが、天気が良くないのと、まだ少し早いという情報が入ったので中止し、ちょっと気になっていた映画を見てきました。「ミッドナイト・イン・パリ」。 山の話題とはまったく外れます。

簡単に言ってしまえば結婚を前にして夢と理想を求めたい男と現実的な女の恋愛ものですが、そう単純ではありません。ここからは完全にネタばれですが、実際に映画を見る場合は結末を知っていた方が実はより楽しめるという実験データもありますので敢えて話を進めます。

売れっ子脚本家の主人公ギルは自身下らないと感じている制作をやめて今後は小説を書きたいと思っています。婚約者とその両親とパリに婚前旅行に来ているが、実は収入が少なくなってもこのまま憧れのパリに住みたいとまで思っている。婚約者のイネズは裕福な家の娘で、結婚したら旦那にはこのまましっかり稼いで貰ってアメリカで優雅に暮らしたいと考えている。
そうした懐古主義者と現実主義者の心のすれ違いから、夜の街を彷徨っていたギルはたまたま通りかかったクラシックカーに乗せられタイムスリップし1920年、黄金時代の芸術家のサロンに連れて行かれる。そこにはスタンダードナンバーの作曲で有名なコール・ポーターがピアノの弾き語りをやっていてフィッツジェラルド夫妻・ヘミングウェイやピカソ・ダリ等と錚々たるメンバーが登場する。この辺りは悪のりのようで底抜けに楽しい。そしてピカソと付き合っているというアドリアナという美女と恋に落ちる。

ギルはプレゼントを用意しアドリアナに付き合って欲しいと告白する。色々と語り合っている内にギルは2010年代から憧れの時代にタイムスリップしてきていると打ち明ける。この時代が好きだと話すと、アドリアナは今の時代よりも昔の方が良かったと言い始める。そして二人はキャバレーでフレンチカンカンを踊るムーラン・ルージュの1890年代に一緒にタイムスリップし、ロートレックやゴーギャン、ドガらと出会う。ロートレックは今の時代よりもルネッサンスが良かったと二人に話す。
ギルは憧れの時代においても当時生活していた人たちには昔は良かったと感じるものなのだと実感し、この古い時代に残るというアドリアナと別れる。

当時の文化人について何も知識がなくてもラブストーリーとして単純に楽しめるが、興味のある方にはこの映画は抜群に楽しい。時々出てくるコール・ポーターが最後のオチに絡んでいたり、ロダン美術館の説明員がサルコジ前フランス大統領の奥さんだったりするのもちょっと良い。

過去は美しく、今を生きるのは苦しい。それでも「今」には希望がある。そして未来がある。ギルはそれに気付いたから現代で生きていく決意をした。そして本当に自分がやりたいことをやるためにパリで生活していくことを決断する。雨のパリは素敵だとレコード売りの娘と濡れて歩いて行くエンディングはとても心地良い。

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  • コメント (2)
  1. パリの独特な雰囲気、良いですね~。
    二十歳の時、一人旅してきました(^_^)

    • みいら
    • 2012年 6月 20日 9:45pm

    @ナカシィさん、 お晩です。
    パリに一人旅ですか??それは凄いp(^_^)q 。
    今度、お話聞かせて下さい。(^_-)

    ああ、美術館巡りしたいな〜。