去年は膝を怪我して真夏の山登りをやってないからお前は忘れたのかい?一昨年もその前の年も、暑さに慣れてない身体でいきなり登ってやられたのをすっかり忘れてる。都合の良い事だけ覚えてて本当に困った奴だ…。
と言う事でこの土日はあかねずみさん、ぎっくり腰のmorinoさんと合流すべく以東を目指しましたが、この暑さに体がついて行かず途中撤退となりました。
夜明け前に泡滝ダムを出発するが朝にしては気温は高い。七曲がりを登る頃には猛烈な汗をかきはじめ、大鳥小屋手前でいよいよ直射日光を浴び始める。電解質も補給はしているが追いつかず足も攣ってきた。小屋に到着すると大鳥池の向こうにピーカンの以東岳山頂・以東小屋・直登コースが迫っている。小屋前のベンチでおにぎりに漬物の朝食を摂る。庄内からの4人パーティーが上がってきた。直登コースから以東の日帰り周回との事。こちらも直登コースの予定だが重装備なので先に行って貰う。オツボコースとの分岐を過ぎ湖畔をへつるような狭く歩きにくい日陰の道を進むとやがて河原に出る。対岸に渉ってからは容赦ない陽射しを浴びる。
普段は24時間快適な屋内にいるなか、この陽射し、この気温は堪らない。息を吸うと口の中に入り込む熱、纏わりつく空気感がヤバい。急登に取り付き何とか尾根に乗る。しかし両足の他に背中まで攣ってきた。1202ピークまで登ると頭がガンガン痛くなってきた。明らかに脱水の初期症状。腕にメジロが留って血を吸ってるが払い退ける元気がない。標高差にして小屋まであと500。このまま進めば登れるかもしれないが途中で倒れる可能性が高い。そして今ならまだ大鳥小屋に戻れそうだ。二人には申し訳ないがここで敗退、下山することにする。いつのまにか4~5匹留っていたメジロを払ってザックを背負う。
やっとの思いで小屋に入って大の字になって団扇であおぎながらひたすら休む。このまま帰るのも癪だしまだ暑い。今日は泊って明日下山することにする。
夕食時にはだいぶ気分も良くなり、持ってきたビールは残さず空ける。その後、陽が落ちるまでベンチに腰かけ以東小屋を見上げながら、一緒になった大阪のHさんと取りとめのない話をしバーボンを舐める。
翌朝、これから山頂に向かう宿泊者と一緒に起き、陽が昇る前に早々に下山した。